三ツ野です

 あらためて初めまして。
 東さんのブログで既報の通り、辞退したみなみさんに代わり、やずややずやさんのパートナーを務めさせていただくことになった三ツ野陽介です。

 そんなこんなで敗者復活ということになりましたが、第三次関門落選という元々の結果に関しては、正直、あまり素直に受け入れることが出来ず、かなりフテクサレていたので、ゼロアカ道場のその後の動向のチェックなども一切していませんでした。僕の周囲でも「ミツノの前で〈ゼロアカ〉という言葉は禁句」みたいな感じだったので、現在、第四次関門レースがどんな具合に進行しているのかサッパリわかりません。まずは戦況の把握に努めなければ。

 それにしても第二次関門の不合格者のなかには、落選が決まった後に書かなければならなかった公開プロフィールにおいて、「この企画によって誕生する一冊の本を拝読させていただくことを楽しみにしております」と書いてらっしゃるかたがいて、僕より随分若いのに、本当に立派な態度だと思いました。また、白石昇さんは落選した後もゼロアカ道場を盛り上げるために活動なさっているようで、頭の下がる思いです。

 それに比べて僕はと言えば、それほど人間が立派にデキていなかったようで、東さんのブログをブックマークから外したのを手始めに、「ふざけんな、東浩紀の本なんて二度と読むか」と思って、東さんの著作をまとめて押し入れの奥にしまってしまいました(でも捨てないところが僕の弱さか)。東さんの単行本は全部読んできましたが、新刊『リアルのゆくえ』が書店に並んでいるのを見たときは、「フン」と思いながら通り過ぎたのでした。

 別に、優勝する自信があったわけでもないですが、四次関門に進む10人に入れないとはあまり想像していなかったので、どうして不合格になったんだろうということに関しては、ずいぶん考えました。もちろん、それを東さんはゼロアカ道場のサイトのなかで説明しているわけですが、それ以外にも人づてに選考理由を伝え聞いたりしました。

 まあ、僕と東さんをつなぐパイプなんて、例の「あの人」ぐらいしかいないわけですが、彼が「みっちーは○○だから落としたって、東さん言ってたよ」という具合に教えてくれるわけです。○○の内容は、なにがなんでもゼロアカ道場優勝してやるという、なりふり構わぬ姿勢が見えない、とか何とか。

 しかし、どうして東さんの目には、僕が熱意に欠けると映っていたのか、正直よく分かりませんでした。ほかの参加者のように『思想地図』のシンポジウムに行き、その打ち上げに乗り込むなどして、せっせと参拝していなかったのが、そのように映ったんだろうか。しかし僕は、なりふり構わぬライバルたちを横目に超然としていたわけではなく、実は、東さんが行くことになっていた8月の熊野大学に申し込んだりしていました。熊野大学に行けば、東さんとお話しできる時間がたっぷりあるかもなあ、などと下心を抱きつつ。

 ところがどっこい、あーあ、三次関門で落ちちゃったよ、もう熊野大学に三万円振り込んじゃってるし、どうすんだよ、アレ。という事態になってしまったわけで。まあ中上健次にも、東さん以外の講師にも興味があったので、そのまま熊野大学に参加しようかとも思ったのですが、やはり熊野で東さんと顔を合わせるのがいたたまれない気がしたのでキャンセルし、代金は払い戻してもらいました(熊野大学運営の方には、その節はお手数をかけました、すみませんでした)。結局、東さんはサンデープロジェクト出演のため、熊野大学はとんぼ返りだったと、後になって聞きました。

 もちろん、自分が提出した第三次関門の課題に関しては、会心の出来と言うには程遠く、自分として恥ずかしい出来であるとは思っていました。しかし、一応あれは、東さんのこれまでの仕事を踏まえたうえで、東浩紀へのラブレターのつもりで書いたもので、それがまったく相手にされなかったのは「失恋」のようなものだと思いました。

 四次関門の道場破りに参加しなよとか、『思想地図』に送ったらとか言ってくれる人もいましたが、僕はすでに『思想地図』の論文公募でも一度フラレてるし、これ以上、東さんをストーキングするのはいかがなものだろう。何度アタックしても駄目なんだよ、きっと。

 まあ地道に頑張っていれば、認めてくれる人がそのうち現れるでしょう。僕も「いきなり一万部デビュー」などと派手なことを考えずに、目の前にある、自分にできることからコツコツと取り組んでいきますよ。

 というわけで、目の前にあるプレステに取り組んでみました。
 あれ?なんか間違ってる気がするが、まあ、いっか。しかし、このプレステ2というヤツも、だんだん物足りなくなってきて、プレステ3とかWiiが欲しくなってきたなあ。っていうか、ニンテンドーDSが欲しい。なんか僕が昔、相当やり込んだ『信長の野望 武将風雲録』がDSに移植されたらしいし、アレまたやりたいわ。あるいは、やはり最近DSに移植されたドラクエ5やって、今度こそビアンカと結ばれるとか。でも、ニンテンドーDSはもうすぐ新しいバージョンが出るらしい。ということは、買うのはもう少し待った方がいいのか。

 だから待った。待ってたら東浩紀から突然電話がかかってきた。三ツ野さんはまだゼロアカ道場に興味がありますか?という。

「興味はないけど恨みはあります」

 と、僕は答えたのでした。そして、今回のような話の流れになりました。10月は忙しくなりそうだし、DS買わなくてよかった。天下統一の夢はしばらくお預けです。

 パートナーとなったやずややずやさんからも電話を頂き、今の時点で出来ている原稿をメールで送ってもらいました。大量の原稿がすでにあり、やずやさんが、パートナー抜きで一人でも同人誌を完成させようと、必死に頑張っていたのがよくわかりました。今回は、そこに僕が割り込ませて頂くわけで、やずやさんに申し訳ないような気もしました。締め切りまで残り少ないですが、次の関門に進むために、力になれたらと思います。

 それにしても、「やずや やずや」のテレビCMを見るとゼロアカ道場のことを思い出してイラッとしていた遠い昔が、昨日のことのように思い出されます。っていうか、それって昨日の朝のことだった。一寸先は闇とはこのことです。自分なりに整理をつけていた気持ちを、もう一度ひっくり返すところから始めなければならず、まだちょっと混乱していますが、とにかく一生懸命頑張ろうと思います。東さんの本も押し入れから出さないと。